セト1 [『リトル・ヨア・サンシャイン』]
それは突然の出来事でした。
セトは翼を斧で叩き折られてしまったのです。
あまりに突然だったので折られた痛みを感じることを忘れたほどでした。
たくさんの人に声をかけられました。
可哀想にと労わるものがいました。
大した事ではないよと慰めるものがいました。
力になるからと励ますものがいました。
中にはただせせら笑うだけのものもいました。
でも セトにはそのどれもが無意味に響く音でしかありませんでした。
「ああ、これから僕はどうして生きていけばいいのだろう。」
2008-08-07 16:27